母の愛が伝わる思い出の振袖

親族が多くて大変だった着物選び

親戚が多く、皆が仲がいいのも大変だと思ったのが一番の印象です。
父方の年上のいとこが3人、母方がひとり。どの家からも振袖をよかったら上げると言われてしまい、とても困った印象があります。
とくに母方のいとこの家は、女ひとりだけで他は男兄弟なのでもう着ないこと、そして私とは年齢が離れたいとこのため、私の成人式のときにはすでに結婚していました。
そのうえ、生まれた子供ふたりも男の子で振袖をこのまま取っておいても使い道がほとんどない、ということです。
そのためせっかくいい着物を買ったのに、いとこはもう着ないのでもったいなく誰かに来てもらいたいとおばが家まで持ってきました。

正直にいえば、私はレンタルでもいいので自分が好きな柄の振袖が着たいと思っていました。

母が呉服好きなので着物屋さんにも足を運ぶときについていくことが多く、そこでカタログやいつも展示してある振袖などをみてこんなのがいいな、
と漠然とした希望がありました。


しかし、母や父にしてみると自分の上の兄弟の持ってきた振袖をつっ返すこともできないと言った様子。

叔母と祖母、そしていとこも一緒になって持ってきたうえ、その場で羽織ってみたらいいと広げられてしまいもう、袖を通すしかない状態。
袖を通してしまえば、似合うとほめ倒され、母や祖母にはストールや髪飾りなど小物は新調してあげるから着てみたらどうか、と勧められてしまいました。
いとこの着物は、濃いむらさき地のうえに古典的な和柄の花が裾から上に向かって広がる柄で、金色や黒、赤をまぜた華やかなものでした。
もともと着たいな、と思っていた振袖もどちらかといえば可愛い系よりはかっこいい系の落ち着いたものを着たいと思っていたので、そこまで抵抗はありません。
しかし、一生に一回のことなのにいとこのお下がりですませられてしまう、というのがなんとも心にとげを落としていました。
いとこたちはひとりひとり新調して貰えたのに、という思いもあってなかなか返事をしないでいました。
お下がりなら、いっそレンタルで自分の着たいものが選びたいというのが本音です。
そうしたら、祖母が振袖はそう着る機会がないから、いとこのものを着てみたらどうか、そのかわり近々あるいとこの結婚式のワンピースなどを
一式新調するのにお金をだしてあげる、と提案されました。


そのため結局、いとこの着物で成人式の写真を撮ることになったのですがちゃんと着てみると着付けの腕がいいのか、とても満足のできでした。

さらっと羽織ってみるだけでは、その着物の良さはなかなか分からないものだなぁ、とそのとき改めて思いました。